NEURODIVERSITY・UNITED
NEURODIVERSITY・UNITED

虎とライオン

 

動物園で、虎とライオンが別々の囲いで暮らしています。虎は単独、ライオンは群れで飼育されています。
 

ある日、ライオン達が園長に言いました:「僕らはテリトリーをもっと広げたい」

園長は隣にある虎のスペースを見て考えました:「虎とライオンは同じヒョウ属で大きさもさほど変わらないのだから、一緒に飼育したほうが画期的ではないか。多数決ではライオン達の意見が優位だし、そうしよう」

ーそうして虎はライオンの群れに放り込まれました。

 

ライオンとは五感、本能、身体能力、そして習性の異なる虎に、ライオンと同じように感じ、考え、動き、コミュニケーションをとり、群れの一部として機能するように強要したなら、一体どうなるでしょうか?

 

ジャングルや森の木陰で単独で暮らすことに適した虎の体質には、ライオン達のニーズに合わせて改築された開けた空間は眩しく、落ち着かず、騒々しくて混乱します。そして、ライオンと虎では身振り;生活習慣;興味対象;得意分野などもまるで異なります。

 

ライオン達の目には、そんな虎は様子が変でコミュニケーションも取れず、群れに馴染めず、常識をわきまえない不届きものとして映ります。ライオン達は、そんな厄介者は襲って排除するか、もしも生かしておくならば自分達と同じように機能するように鍛えなければならないと感じます:「お前は間違っている。治さなければいけない。可能な限り障害を克服し、まともなライオンとして生きるために」

 

そんな環境下で虎は心身共に衰弱します。とても疲れ、混乱して憂鬱になります。そして、回復するために一人になれる木陰を見つけて隠れますーでもライオン達は追ってきます:

「一人はダメだ、不健康だ。仲間のライオン達を見て? みんな同じように考え、動き、きちんと意思疎通ができているだろう? お前は発達に問題があるんだ。はやく普通になれるように頑張らなくちゃいけない」

 

・・・もしもあなたが動物園の園長であったなら、この状況をどう解決しますか?

 

Print Print | Sitemap
© Miyuki Kuwasawa - September 6, 2017